Ibanez / TS808DX生産完了

定番オーバードライブTS808のオーバードライブ回路と、独立したブースター回路をひとつの筐体にまとめたチューブスクリーマー。1979年の登場以来、ウォームでクリーミーなトーンと素直な反応性で支持されてきたTS808の系譜に、ブースターという新たな選択肢を加えたモデルである。

オーバードライブ側はTS808と同じJRC4558Dを採用し、あの柔らかく繊細なクリッピングサウンドを受け継ぐ。ブースター側は最大20dBのブーストが可能で、オーバードライブとは別系統の独立した回路として設計されている。2つのフットスイッチはそれぞれ独立したトゥルーバイパスで、オーバードライブ単体、ブースター単体、両者の組み合わせのいずれでも使える。歪ませた音をさらに押し出すのにも、クリーンのまま音量だけを持ち上げるのにも対応する。

トグルスイッチでブースターをオーバードライブの前段(Pre)に置くか後段(Post)に置くかを選択できる。前段に置けば歪みの質そのものが変化し、後段に置けば純粋な音量の底上げとして働く。同じ2回路でありながら性格の異なる音を引き出せる点が、このモデルの面白さだ。

コントロールはOverdrive、Tone、Level、Boost、Pre/Post切替スイッチ。本体背面には9V/18Vの電圧切替スイッチを備え、18Vで駆動すればさらにヘッドルームの広いパワフルなサウンドが得られる。電源は9V電池(006P)1本、またはセンターマイナスのDC9Vアダプター。消費電流は9V時43mA、18V時114mA。バイパスはトゥルーバイパス。
ブランド Ibanez
消費電流 43mA

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Ibanez について
日本 / 1908 設立

Ibanez(アイバニーズ)は、名古屋に本社を置く星野楽器株式会社が展開する、日本を代表するギター/ベースブランドである。そのルーツは1908年(明治41年)、名古屋の星野書店の楽器部門にまで遡る。1929年に独立して海外楽器の輸入販売を手がけるようになり、当時取り扱っていたスペインの楽器メーカー「イバニエズ・サルバドール(Salvador Ibáñez)」社のクラシックギターが、のちのブランド名の由来となった。
1935年頃、星野楽器は自社でのギター製造に乗り出す。スペインの名工に敬意を込めた当初の「Ibanez Salvador」は、やがて簡潔に「Ibanez」へと短縮された。1944年の名古屋大空襲で社屋も工場も焼失するという苦難を経て、1948年に営業を再開。国内市場の厳しさから、日本のメーカーとしては早くから海外市場の開拓へと活路を求めたのが、その後の飛躍につながっていく。
1957年にエレキギターの製造を本格化させると、1970年代後半以降、Ibanezはアメリカ・ヨーロッパで確固たる地位を築く。KISSのポール・スタンレーやジョージ・ベンソンとのシグネチャーモデル、スティーヴ・ヴァイのJEM/RG、そして7弦・8弦へと踏み込んだ多弦ギターの先駆けなど、革新的なモデルを次々と世に送り出し、日本発でありながら世界のロック/メタルシーンを象徴するブランドへと成長した。
エフェクターの分野でも、Ibanezの歴史は古い。当初は日伸音波製作所(Maxon)からのOEM供給を受ける形でスタートし、1979年には歪みエフェクターの金字塔となる初代チューブスクリーマー「TS808」を世に送り出した。2000年代以降はMaxonと袂を分かち、現在はIbanezが自らエフェクターを企画・開発する、自社プロデュースの体制へと移行している。ギターからペダルまで、日本のものづくりの底力を世界に示し続けてきたブランドである。

Ibanez 公式サイト
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