EarthQuaker Devices / Dunes生産完了

EarthQuaker Devices / Dunes
トランスペアレント系のオーバードライブ。クリーンブーストから濃厚なドライブまでカバーする広いゲインレンジ。オリジナルのトーンを損なわずに歪みを加えられる。

EarthQuaker Devices のフラッグシップ「Palisades」のエッセンスを凝縮した808系オーバードライブ(正式名称 Dunes Mini Mega Ultimate Overdrive)
Gain・Tone・Volume のシンプルな3ノブ構成
Voice切替で3種のクリッピングを選択(MOSFET/Silicon/None)
MOSFETはタイトなクランチ、Siliconは最も808系に近い音、Noneはクリーンブーストからオペアンプ的な歪みまで
Bandwidth切替で「ストック」と低域を足した「Full Range」の2種
Normal/Brightスイッチで高域の出方を調整
シングルコイル・ハムバッカーのどちらでも扱いやすい
電子リレー方式のトゥルーバイパス(電源が入っていないと音は出ない)
米オハイオ州アクロンでハンドメイド生産
現在は生産終了。実質的な後継機は Plumes
ブランド EarthQuaker Devices
64mm
奥行 121mm
高さ 57mm
消費電流 16mA
メーカー公式デモ動画
     

EarthQuaker Devices のフラッグシップ・オーバードライブ「Palisades(パリセイズ)」から、同社お気に入りの要素だけを抜き出してコンパクトにまとめたモデル。正式名称は Dunes Mini Mega Ultimate Overdrive。480通りもの歪みを作り込める Palisades に対し、こちらは Gain・Tone・Volume の3ノブに整理しつつ、音作りの核となるスイッチ類は受け継いでいる。ミッドを持ち上げる、いわゆる「808系(Tube Screamer 系)」のオーバードライブ。その中でも音の輪郭を残したトランスペアレント寄りのキャラクターを持つ。

音色の決め手は3つのトグルスイッチ。Voice はクリッピング回路を3種から選択でき、MF(MOSFET)はタイトなクランチ、Si(Silicon)は最もビンテージ808に近い音、N(No Diode)は Gain 低めでクリーンブースト、高めでオペアンプ的な歪みとなる。Bandwidth はストック(標準の808系)と、低域が増して分厚くなる Full Range の2種。Normal/Bright スイッチは、Bright で高域にきらびやかさを加え、Normal で全帯域をフラットに出す。各モードは Palisades の特定セッティングに対応しており、多機能機の「おいしいところ」を切り出した設計といえる。

すでに生産を終了しており、EarthQuaker Devices 自身が実質的な後継機と位置づけているのが Plumes。現在の主な入手先は中古市場となる。なお V1・V2 の2世代があり、V2 では静音のリレー式スイッチングを採用。初期の V1 はフットスイッチが硬く、踏み込むとポップ音が出やすい個体があったとの声もあるため、中古選びではバージョンやスイッチの状態を確認しておきたい。

クランチからハイゲイン、ソロ用ブーストまで一台でこなす汎用性が持ち味で、シングルコイル・ハムバッカーのどちらとも相性がよい。比較対象には後継の Plumes や Boss OD-3/SD-1 などが挙がり、Dunes はスイッチが多いぶん音作りの幅が広く、やや明るめのキャラクターを持つ。メーカー推奨セッティングとして Blues Power、Garage Floor Grit(シングルコイル向き)、Harder & Faster、Peach Fuzz の4種も用意されている。米オハイオ州アクロンでのハンドメイド生産。Palisades(切り立った崖)に対する Dunes(砂丘)という命名も、作り込める兄貴分とシンプルな弟分というキャラクターの対比になっている。

EarthQuaker Devices について
アメリカ / 2004 設立

EarthQuaker Devices(アースクエイカー・デバイセズ)は、2004年にジェイミー・スティルマンがアメリカ・オハイオ州アクロンの自宅地下室で立ち上げたエフェクターブランドである。ミュージシャンとして数々のバンドで活動し、地元でレコードレーベルを運営していたスティルマンが、壊れたオーバードライブの修理をきっかけに回路設計にのめり込み、独学でペダル製作を始めたのがその原点だ。

初期のHoofやDisaster Transport、Ghost Echoといった名機は、すべて彼が地下室で基板の実装からハンダ付け、筐体のプリント、組み立て、梱包、発送までを一人でこなして作られていた。2006年から2010年のあいだに、スティルマンは実に2000台ものペダルを自らの手で組み上げたという。

やがて注文が地下室のキャパを超え、2011年には妻のジュリー・ロビンスが銀行員の職を辞してCEOとして参画。2015年には約1400平方メートルの本社ビルへ移転し、現在は50名を超えるスタッフを抱える。それでも「一台ずつ、手作業で、大変なやり方で」というものづくりの姿勢は変わらず、すべての製品にいまも "Made in Akron, Ohio" が刻まれている。

シンプルで扱いやすく、それでいて音の探求へと誘う出発点であること――EarthQuaker Devices が掲げるこの理念は、ファズやディレイ、モジュレーションといった各機種の個性豊かなサウンドに色濃く表れている。全製品が手作り・手検品され、本国アメリカでは永久保証(ライフタイム・ワランティ)を掲げるという徹底ぶりも、このブランドが世界中のギタリストに支持される理由のひとつだ。

なお、日本国内の正規輸入品はヤマハミュージックジャパンの取り扱いとなり、保証は同社の規定に準じる。

EarthQuaker Devices 公式サイト
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