Empress Effects / Drive
歪みの量ではなく歪み方そのものを設計するために作られた、オールアナログのオーバードライブ。特定のアンプを模したペダルではなく、チューイードのような中域の太い温かさから、タイトなブリティッシュ・クランチ、輪郭の立った軽いブレイクアップまでを一台で行き来する。特徴はミッドコントロールが歪み段の前に置かれていること。どの帯域を突っ込んで飽和させるかを決められるため、低めのミッドを持ち上げれば厚いブレイクアップ、上のミッドを強調すれば粒立ちと鋭さ、削ればタイトで倍音の少ない反応になる。最大30dBのブーストは歪みの前後どちらにも割り当てられ、飽和量を増やす使い方とレベルだけを持ち上げる使い方を選べる。Mixノブでドライ信号を残し、ミックス後のシェルビングEQで全体のバランスを整える。演奏に追従するアダプティブ・ノイズゲートと、歪み段への入力量を示すアナログ式のクリッピングメーターを内蔵する。
| ブランド | Empress Effects |
| 幅 | 66mm |
| 奥行 | 122mm |
| 高さ | 64mm |
| 重量 | 454g |
| 消費電流 | 250mA |
Empress Effects について
カナダ・オンタリオ州オタワのエフェクターメーカー。始まりは2005年、クイーンズ大学で電気工学の学位を取ったばかりのSteve Braggが、友人から「市販品にない機能を持つトレモロが欲しい」と頼まれたことだった。7か月かけて完成させたものの、その友人はすでに別のトレモロを買っており、行き場を失った1台をSteveは地元の中古楽器店に持ち込む。店はこれを気に入って10台を発注し、他の小売店に当たっても同じ手応えが返ってきた。こうしてEmpress Effectsが立ち上がる。
次に取りかかったSuperdelayは設計だけで2年を要し、その間に一人では需要に追いつかないことがはっきりした。組み立てにMike、設計にJay、業務全般にDanが加わって体制が整い、2008年にはJayが単独で設計したParaEqが登場する。設計と製造は現在もオタワの小規模なチームが担っている。
製品の性格は一貫している。スタジオ機材の水準をそのまま足元に持ち込むという発想で、コンプレッサーには外部サイドチェイン入力を、イコライザーにはグラフィックではなくパラメトリックを与える。機能の数は多いが、メニュー階層に押し込めず目の前のノブで操作しきれるところに落とし込み、筐体もできるだけ小さくまとめる。モジュラーシンセをペダルの姿に収めたZOIAのような飛び道具から、バッファーやEQといった土台の道具まで、幅の広さがそのままブランドの輪郭になっている。